日本発祥の「霊気」は、「Reiki」と呼ばれメリカを中心に海外で発展しました。

フロー実践者は、アメリカ、ドイツ、イギリスをはじめ世界中に300万とも500万ともいわれています。

アメリカでは代替医療が国の機関で研究され、米国立補完代替医療センタ―では代替医療の1つとしてレイキを正式に認定しています。

イギリスではレイキに医療保険適用が認められ、英国の辞書“Collins ENGLISH DICTIONARY” ではレイキを「癒しと元気を回復するために患者へエネルギーを与える治療法」と紹介しています。

 ベトナム帰還兵のPTSD (恐怖体験によるトラウマなどの後遺症)が社会問題になっていたアメリカでは、様々な薬やカウンセリングを試みても症状が変わらない患者へレイキヒーリングが試されました。
その結果、多くの帰還兵が日常生活を送れるようになりました。

このように海外では、具体的に効果のある民間医療としてレイキが認められています。
ここでは、海外で発展したレイキの歴史をお伝えします。

 

西洋レイキの源流 高田 ハワヨ氏(たかた はわよ 1900-1980)

hawayo海外に広くレイキを普及したのは、 林氏から霊授を受け高田氏です
氏はハワイを中心に治療・伝授をおこない、
現在の西洋レイキの基礎を創りました。

1937年、日本で病気療養していた高田氏はハワイに戻り、レイキの診療所を開所します。
1938年、ハワイを訪れていた林師から13番目の神秘伝の霊授を受けマスターとなります。
1970年から30年間の間、ハワイを基盤にレイキを教えましたが、ァーストとセカンドディグリーのみを伝授していました。
70年以降から亡くなる1980年までの間、サードディグリーを伝授し、22人のマスターを育成しました。

林忠次郎氏からハワヨ氏へ伝わった『霊気』

高田氏が日本に滞在していた頃に書かれたメモが残っています。

1935年12月10日
レイキの意味。
人がみな生まれながらにして持っているエネルギーで、集中させて患者に当てるとあらゆる病を治す。
最大の自然治癒力であり、薬を使用する必要がない。
あらゆる場合に有効で、人間同様動物にも効き目がある。
レイキを集中させるためには、言葉の面、想念の面ともに、思考を浄化しなければならない。
そして、「エネルギー」が内面からわき起こってくるためには、瞑想する必要がある。
エネルギーの源は、へそから約5センチ下の位置にある。
楽な姿勢で坐り、目を閉じ心を研ぎ澄まして身体の力を抜く。
合掌して感じがやってくるのを待つこと。
心をこめて優しく手を当ててゆく。
頭部から始めて、だんだん下に移っていく。
施術の受け手は、心を浄化し、ゆったりとくつろいだ気持になり、治りたいという欲望を持たなければならない。
感謝する心を忘れてはいけない。
感謝することには心を癒す大きな力がある。
ただ患者に手を触れるだけで、どんな疾患であろうと診断をくだせる。

 

1936年5月
とても嬉しいのは、林先生から神秘伝を伝授していただける許可を得たことだ。
エネルギー療法の奥義である呼吸法や霊示法を教えていただける。
これは名誉なことだし、敬意を払ってもらっているということだ。
そんな風に考えると、とても幸せな気持になる。
私がどれくらい幸せな気持か、誰にも想像がつかないだろう。これは一生役にたつ贈り物だ。
伝授されたばかりのこの美しく素晴らしい教えのために自分にできる最大限の貢献をすることを、私は心の中で約束した。
真摯にそして親切な心をもって正しく行動していこう。
そして、この教えとその教師を何にもまして敬い大切にしてゆくつもりだ。

 

残されている高田氏のメモからは、現在伝えられている「西洋レイキ」との違いがうかがわれます。

1935年のメモは、 レイキを始められてから直ぐに書いたメモのようです。
メモから学ばせていただくと、
レイキを集中させるためには、「言葉、想念、思考」を浄化する必要がある。
レイキは、下丹田に源がある
レイキが内面から湧き上がってくるためには、リラックスしながら心を研ぎ澄まし、待つ
感謝の心をもつ

1936年のメモは、神秘伝の許可が得られたことを喜ばれているようです。(神秘伝を受けられたのは1938年)
こちらのメモからは、神秘伝では「呼吸法」と「霊示法」が学べることが分かります。
当時伝えられた「呼吸法」「霊示法」は、今伝えられていることと同じなのでしょうか?
とても知りたいところです。

私が特に心に残ったのは、施術の際に「目を閉じ心を研ぎ澄まして身体の力を抜く。合掌して感じがやってくるのを待つこと。」の箇所です。
西洋レイキでは、よく「何も考えずに、ポカ~ンするように」と伝えられていたり、「テレビを見たり、おしゃべりをしながら」施術することも良しとされます。
実際に施術をすると分かることではありますが、効果は全く違います。
「リラックスし心が研ぎ澄まされる状態を創る」こと自体、トレーニングの積み重ねが必要です。

『霊気』から『Reiki』へ

林忠次郎氏より「臼井霊気療法」を伝授された高田氏でしたが、ハワイでレイキを教えるにあたってはその時代、その土地に馴染むように形を変えて伝えています。
その教えが、現在の「西洋レイキ」の基礎となっています。

誰もができる「Reiki」へ

高田氏は、「霊気療法」から治療に必要な概念、方法や修業、訓練法を取り除きました。
たとえば、治療をおこなう上で必要になる「病腺霊感法」や長い修養が必要な「霊示法」などは伝えていません。
その代わりに、誰でも一定程度のヒーリング効果が出せる「12ポジション」が確立されました。
また伝統的なレイキでは補助的に使われていたシンボルやマントラが重要視され、これを使うことで誰もが「パワーを持てる」としています。

Reikiは「誰でもでき、集中力・修養不要」が定説となります。

Reikiの発展

高田氏は生前22名のマスターを育てられました。
高田氏の死後レイキは、大きく二つの団体に分かれ、さらにその中からフリーラインのマスターが増え、世界で発展・普及していきます。

高田氏の死後活躍する大きな団体の一つに、フィリス・フルモト氏が1981年に他のレイキマスター達と共に設立したレイキ・アライアンス協会があります。
もう一つの団体は、バーバラ・レイ氏が設立した現在のラディアンス・テクニーク協会です。

22名の中には、瞑想の手法やオーラ・チャクラなどの要素を付け加えて教えるマスターも出て、原型をとどめないオリジナルなレイキが発展していきます。
誰にでもでき簡単にレイキマスターになれる事から、誰から伝授を受けたのか系図がわからないフリーラインの実践者が大半を占めるようになります。

現在、世界でレイキを実践者が500万ともいわれ、海外では医療従事者もレイキを学ぶ背景には、この西洋レイキの「誰でもできる」が大きく貢献していると、考えます。

list_3 レイキの歴史1-レイキの源流「霊気」
list_3 レイキの歴史3-「レイキ」の発展